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学力低下の原因としては「ゆとり教育の導入による影響」(65.6%)と考えている回答者が最も多く、その穴埋めとして塾や通信教育など、何らかの対策をとっている親は8割以上にのぼった。
● 生徒に起因した学級雰囲気指標によると、13か国の中で、日本は韓国に次いで学級の雰囲気は良好な状態にあると言える。この結果は、2000年調査の結果と同様である。生徒に起因した学級雰囲気指標と数学的リテラシー得点との間には「正」の関連(学級雰囲気が良好である程、得点が高くなる)が13か国すべてに認められた。
● 生徒のモラール指標は、オーストラリア、カナダ、アイルランドが高く、日本は13か国の中で中程度に位置している。生徒のモラール指標についても、数学的リテラシー得点との間には「正」の関連(生徒のモラールが高い程、得点が高くなる)が13か国すべてに認められた。
● 日本の教師不足指標、学校施設指標、教育機器・機材指標は、OECD平均とほぼ同程度である。
● わが国の生徒のインターネットやコンピュータ・プログラムなどの活用頻度は、OECD加盟国では低い方である。ただし、頻度が多いことは、必ずしも、数学的リテラシーの高い習熟度と関連するわけではない。
● わが国の生徒が評価した学校での数学の授業の雰囲気は、OECD加盟国の中では良好である。「数学授業の雰囲気」指標が高い生徒群ほど、高い数学的リテラシーの平均得点を示す傾向が見られ、わが国では特にその傾向が強い。
● 通常の授業以外の宿題や自分の勉強をする時間について、わが国の生徒は週当たり平均6.5時間で、OECD平均の8.9時間より短い。また、数学の宿題や自分の勉強をする時間については、わが国の生徒は週当たり平均2.4時間で、OECD平均の3.1時間より短い。
● 数学的リテラシーの分散(ばらつきの程度)と学校間分散割合について、わが国は、生徒全体の数学的リテラシーの格差が大きく、学校間の格差も大きい。一方、フィンランドは生徒全体の数学的リテラシーが高い得点範囲に集中して分布しており、学校間格差はあまり見られない。
● 生徒の社会経済文化的背景は、数学的リテラシー得点と強い相関関係がある。わが国は、カナダ、フィンランドと共に数学的リテラシーの得点水準が高く、生徒の社会経済的背景の得点への影響が比較的弱い国に位置している。
● 表10のとおりわが国の平均得点は548点で、フィンランドと共に最も高い。しかし、わが国及びフィンランド、香港、韓国の平均得点は統計的に有意差がないため、この4か国が1位グループであるといえる。
● 得点の男女差が最も大きいのは韓国で、男子の方が女子より18点高い。わが国は男子が550点に対して女子が546点で、男子が4点高いが、統計的には有意差はない。
● わが国は、2000年調査と2003年調査とでは平均得点に統計的な有意差がない。
● わが国は2000年調査と比べ、2003年調査の上位5%と上位10%の生徒の得点が高い一方で、下位25%、下位10%、下位5%の生徒の得点が下がっている。
● 表10のとおりわが国の平均得点は498点で、フィンランド、韓国、カナダ、オーストラリア、リヒテンシュタイン、ニュージーランド、アイルランド、スウェーデンの8か国より統計的に有意に低いが、オランダ、香港、ベルギー、ノルウェー、スイスなどの平均得点とは統計的な有意差はない。
● わが国の生徒の割合がOECD平均よりも多いのは、レベル5、レベル4及びレベル1未満である。また、わが国の生徒の60%以上は、少なくともレベル3以上に位置している。
● わが国の得点分布は上位5%、上位10%、上位25%に位置する者の得点は比較的上位にありOECD平均よりも高いが、下位10%、下位5%に位置する者の得点は比較的低い方にありOECD平均よりも低い。
● わが国の数学的リテラシー全体の平均得点は534点で、香港、フィンランド、韓国、オランダ、リヒテンシュタインと統計的な有意差がないため、1位グループであるといえる。
● わが国の結果を比較すると、2領域とも2003年と2000年の平均得点に統計的な有意差はみられなかった。OECD平均では、「空間と形」領域において統計的に有意な差はなかったが、「変化と関係」領域では2003年調査の平均得点の方が2000年調査の平均得点よりも11点、統計的に有意に高かった。
● 数学への興味・関心や数学の楽しさに関する4つの質問項目、「数学についての本を読むのが好きである」、「数学の授業が楽しみである」、「数学を勉強しているのは楽しいからである」、「数学で学ぶ内容に興味がある」に対して、肯定的に回答したわが国の生徒の割合はそれぞれ13%、26%、26%、33%であり、いずれもOECD平均より少ない。同様に、肯定的に回答した生徒の割合がいずれの質問項目においてもOECD平均より少なかったのは、フィンランド、韓国、オランダであった。
● わが国の生徒は、数学を得意だと感じている生徒の割合が少なく、また数学の問題や宿題を解く時及び数学の成績に対して不安を感じている生徒の割合が多い。ただし、わが国の生徒のこれらの意識が、数学的リテラシー得点に与える影響はあまり大きくない。