今を去ること4日前、北朝鮮への送金を早々と済ませ、
打ちひしがれたまま、近所の本屋に行き、いつものように文庫本を物色した。
あさだじろう氏の文庫本完全読破まで、もう少しのもどきは悩んだ。
悩んだといっても、悩むほどの選択肢は残っていない。
「鉄道員」にしようか「勇気凛々」にしようか。
あさだじろキチを自称するもどきではあるが、その有名さ故に「鉄道員」はまだ手にとってないのであーる。
「勇気凛々」は、少年探偵団の話だろーと思って、今まで手に取らずにいた。
だが4日前のもどきは違った。
3ヶ月連続で、一週間以内で給料を溶かし、失意のどん底にいたのである。
そのとき目の前に中央線があれば、迷わず飛び込んだであろう。
そのとき目の間に青木が原があれば、迷わず迷っていたであろう。(ここ笑うとこね)
だが、そのとき目の前にあったのは「勇気凛々ルリの色」なのであった。
もどきは全4冊を手に取り、レジに並んだ。
「カードで!」
「一回払いでよろしいですか?」
「2回で・・・。」